「血流再開後のラットの空間認識記憶の障害が完全に回復したかどうかは、エラーの数が有意に減り、同時に正解択の数が有意に増えたという、二つの要素をもって判定しました。その結果、DHAを10以上内服した場合に、起こる空間・認識記憶の障害が改善され、二〇〇の投与では、脳虚血による細胞障害を顕著に防止していることが確認できました。ちなみに虚血を起こす一時間前に1回だけDHAを投与した実験では効果が得られず、慢性投与の場合は、一のDHAでも改善傾向がみられましたので、挫性投与することで初めてDHAの効果が出てくるようです」先生はさらに、DHAを三週間投与したラットと、DHAを投与していないラットの、虚血後の海馬の乳酸脱水素酵素(LDH)の活性を調べている。海馬は記憶の座といわれる脳部位である。乳酸脱水素酵素は。血中に増えると心筋梗塞や脳血栓などが起こる危険性が高いと言われていて、虚血による細胞障害をみるうえで一つの目安となる。虚血による海馬の細胞障害が、DHA投与群では有意に抑えられていたということだ。脳血管性の痴呆に対するDHA効果の秘密は、どうやらこのへんに理由がありそうである。
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